緑の色
2024/04/18
桜の花が散って新緑の季節になってきました。回りが新鮮な緑に覆われてきましたが、此の緑と言うのは結構厄介な色です。典型的な緑はビリジャンですが、これはちょっと人工的すぎて、そのまま絵に使うのはためらってしまいます。自然な緑はサップグリーンですが、ただこの色を多用すると、使いやすいがゆえに絵が単調になりがちです。新緑の季節には色々な緑を見ることができ、それをうまく描けたら面白い絵ができるのですが、さて、どうすればよいか悩むところです。緑の絵の具は色々な種類がありますが、いっそのことこれら緑の絵の具を使うのを止めて、青と黄色系の絵の具を混ぜて緑を作り出した方が、いろいろな色ができて面白いのではないかと思いますが、さて、どの青とどの黄色を混ぜるかと言う事ですが、これも面倒くさそうなので、やはり君主危うきに近寄らず。新緑は見るだけにしたほうが無難なようです。確かに印象派の作品でも、緑をうまく使った絵は少ないように思います。それだけ難しいという事でしょうか。
現代アート
2024/04/07
東京上野の桜は満開で、多くの人が出ていました。その中で閑散としていたのは西洋美術館で行われている現代アート展、Does the Future Sleep Here? でした。「現代」と付けると何をやっても良いようなところがあって、作品そのものより、作者の主義主張なんでしょうか、それを押し付け、しかし、それが単に空回りして、見ている人を辟易させるところがあります。この展覧会もその例に漏れないつまらない展覧会でした。展覧会の題名にそれが表れています。Does the Future Sleep Here? そんなことはどうでもいいから、面白い作品を見せてくれ!と言いたくなります。ただ、中には良いと思われる抽象画が2,3点あったので油断はできません。現代美術、現代音楽と現代が付くものは、気を付けた方がよいものが多くありますが、中には面白いのもあるので、先入観を持たないで虚心坦懐に作品に接することが重要です。最後に常設展を見て、口直しならぬ目なおしをして帰りました。外は桜を見る人たちで溢れていました。

印象派展
2024/03/16
東京都美術館で行われている「印象派、モネからアメリカへ」を見てきました。人が多くてもっぱら人の肩越しにしか見ることができませんでしたが、やはり印象派はいいですねえ。モネ、ピサロ、セザンヌ、モリゾなど大変結構でした。それに名前を知らなかったアメリカの画家、そして黒田清輝などの日本のいわゆる外光派の作品もあったりして、こんな絵が描けたらいいなあ、と思いながら、例によって会場を3回見て回りました。最初の一回はゆっくり歩きながら展覧会の全体を見て会場の雰囲気を味わいます。二回目は気に入った作品をじっくり見ます。そして最後の一回は額を見ます。と言っても額を見れば当然作品も見ることになりますので、また違った作品の見方ができて面白いのです。今回、展示されていた絵をみて絵は額装して初めて作品になるという事を再認識しました。額は重要です。額の幅何センチ以内などと、変な規制がある展覧会がありますが、どんな理由でこんなバカな規制があるのでしょうね。絵画に対する愛情、敬意を感じません。愚かなことです。額の幅は自由という公募展もありますが、何の問題もありませんよ。
AIで作った画像
2024/02/24
今回はAIで画像をつくってみました。使ったのはImage Creator です。まず、「日本の里山の風景、雪が積もり冬の静けさを表現したもの」と入力しました。すると4枚の画像が表れました。写真はそのうちの2枚です。このような絵が簡単にできてしまうのですねえ。技術の進歩にはただただ驚くばかり。どのような方法でこの文章からこのような画像ができるのか分かりませんが、今後改良が進めばプロの画家は不必要になるかもしれません。となると、絵を描く楽しみはAIでは置き換われませんから、絵画の世界ではアマチュアの存在がますます大きな位置を占めてくるでしょう。心画会の出番です。次回は今まで描いた絵をゴッホ風、セザンヌ風にAIをつかって変えてみようと思います。

Chat GPT
2024/02/19
最近、ChatGPTと言うのが話題になり、これで世の中が大きく変わると言われています。いわゆる人工知能の一種ですが、それがどんなものかさっそく試してみました。心画展は来年50回を迎えます。そこで50回記念でどんなことをしたらよいか、ChatGPTに聞いてみました。「心画会は絵画サークルです。来年50回の記念展覧会を予定しています。どのような展覧会を行ったらよいか教えてください。また来場者に少しでも印象に残るような、また楽しんでもらえるような企画があれば提案してください。」と質問しました。驚きましたねえ。かなり具体的な提案がありました。まず、テーマを決めることが重要ということで3つのテーマの提案がありました。また具体的な企画として4つの提案がありました。これらを基に会員の方々と検討したいと思います。世の中の動きについていくのは大変です。
忘年会
2023/12/17
今日は、今年最後の活動となる忘年会を新舞子ハイツで行いました。一年はあっという間に過ぎたように思います。今年から初めての試みとして、5月には心画会主催で「堅田茂子の世界」を文化センターで行い、多くの会員が賛助出品と言う形で参加しました。大変盛況で面白い企画だと思いますので、来年からもこのような形の個展、準個展と言っても良いかもしれません、を開いていければと思います。また、恒例の心画会展も7月に開催され、暑い中でしたが多くの方に見に来ていただけました。また、美術館巡りもあり今年の心画会は例年になく活発だったように思えます。来年もまた同じように活動を行い、会員一人一人が楽しく活動に参加できるようにしていければと思っています。皆様、よいお年をお迎えください。

諸橋近代美術館
2023/10/23
きのうの美術館巡りは、裏磐梯の諸橋近代美術館へ行ってきました。参加者10名。磐越道を車で2時間ほどでした。ちょうど磐梯山が初冠雪したということで、頂上付近にうっすらと雪を見ることができました。紅葉も始まったばかりでした。この美術館はダリの絵や彫刻が沢山あります。ダリは奇行で有名で、独特のヒゲをはやしたオジサンという印象があります。ちょっと訳の分かんないような絵を描きますが、そのいくつかの作品の中によく妻のガラが登場します。そのデッサン力はなかなかのものです。また、抽象的な絵でも、その作品の発想、構成、色彩をみると、やはりこの人は天才なのだなあ、と改めて思いました。ダリの作品には本物と偽物があります。偽物は「本物の偽物」と「にせものの偽物」に分かれるそうです。ダリは自分の偽物を作るのを支援していたというで、その作品は「本物の偽物」と言うそうです。変わってますね。でも魅力的な人です。ダリの作品を堪能した後は、近くのレストランでカレーやハンバーグを食べました。これもおいしかった。ということで充実した秋の日を楽しむことができました。
人物を描く
2023/09/24
インドからいわきへ仕事で来ているベンカッタさんにモデルになってもらい、人物を描きました。風景画なら少し山が高かろうが、木々が曲がっていようがいくらでも誤魔化しがきくし、花であれば茎や花の形が少しずれていてもなんとか格好をつけることができます。しかし、人物となるとそうはいきません。ベンカッタさんは南インドから来ているという事で、彫りが深い端正な顔立ちですので、その特徴をだすのが難しくまた全体のバランスも注意が必要でした。人物は誤魔化しがきかないので絵を描くうえで良い勉強になります。来年はインドに帰るということですが、すこしでもいわきの生活を楽しんでもらえればと思いました。 今日は、急に秋になったようなすがすがすがしい天気でした。5階の展示室ではランプ会というサークルの展覧会がありました。校長先生だった人たちのサークルだそうです。退職したら、そんな過去にとらわれないで、まったく新しい世界で自由に伸び伸びと絵を楽しんで描けば良いのになあ、と余計なことを考えてしまいました。

生活の中の絵画 2
2023/08/26
音楽は、演奏会に行って実際にその演奏を聴いて楽しむことはありますが、多くの場合、昔はレコード、CD、最近では音楽配信などで、音楽を聴いて楽しむのが圧倒的に多いのではないでしょうか。複製された音楽です。複製芸術と言ってもよいでしょう。一方、絵画の場合ほとんどが一点ものであり、版画やリトグラフでもその枚数は限られています。良質の絵画を買いたいと思ったら、数十万、数百万、著名な画家なら億単位の値段でしか買う事ができません。その作品が本物か偽物か、なんてばかり気にするのは止めて、絵画も、質の良い複製画ができて、一般家庭でも、セザンヌやピカソが気軽に楽しめたら良いのに、と思います。以前、レコードは2000円程度でした。ベートーベン、ブラームスの素晴らしい音楽が、一般家庭で数千円で聴くことができました。音楽配信を使えば今はもっと安く聴けるでしょう。絵画の世界でも、良質の複製画ができて、マティス、デュフィなどが日常生活の中に入って来ればと思います。今の技術を使えばできると思いますけど・・・・
生活の中の絵画
2023/08/24
伝統的な日本の家には、床の間があり、床の間には必ず掛け軸が掛けられます。これはとてもすごいことだと思います。床の間が一般の家でも作られるようになったのは、室町時代ごろですが、床の間があれば掛け軸が必要となります。ということは、日本では500年以上前から、一般の庶民でも、絵を家に掛けるという習慣があり、日常的に絵画を見て楽しんでいたということになります。さらに言うなら季節ごとに掛け軸を変えて、季節の移り変わりを楽しんでいたのでしょう。この掛け軸を描けるという習慣はとてもすばらしいと思います。最近では床の間のない家が増えていますが、掛け軸は床の間でなければいけないという事はありません。居間などの壁にかけて楽しんでも良いのではないでしょうか。長すぎると言うのであれば、茶掛けのような短いのもあります。要は普通の生活の中で絵を描けて楽しむ、そして季節によって絵を変えて季節の移り変わりを愉しむことは素晴らしい日本の文化ではないでしょうか。私は、床の間と玄関に掛け軸をかけ、季節ごとに変えて楽しんでいます。なを、押し入れの襖には、二曲の水墨画の屏風を買い、それを貼りました。

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